手軽で一番多く普及しているスクリプト言語がJavaScriptです。インターネット上で多く利用されているという理由もあり、Web上にも入門サイトが多数あります。多くの人が使える手軽なスクリプト言語とも言えます。
が、誰に対して手軽かと言えば普段プログラム制作したりしている人から見て簡単なだけであって、そうでない人から見れば「英単語と数字の羅列」みたいなものでしかなく、意味不明とも言えます。日本語で作れたら楽だろうと思う人もいるかもしれません。結論から言えば英語で作っても日本語で作っても、根本的には変わりなく「実現すべきことを、どういう手順で行うか」が非常に重要なだけです。この手順のことをアルゴリズムやロジックなどと呼びます。ちなみにIllustrator CC 2014ではプログラムの変数や関数などは日本語で書くことができます。自分しか使わない、社内でしか使わないのであれば、日本語を多く使った方が分かりやすいかもしれません。不特定多数に配布する場合には安全のため日本語は避けるべきです。
初心者が、なかなかうまくプログラムを作れないのはプログラム言語が英語だから、ということではなくて手順が分からないためです。これは、たくさんのプログラムを作成することで身に付いていきます。つまり、いろいろなことができるようになるまでには時間がかかるということです。入門書などに一週間で身に付くとか、すぐに分かるとか書いてあるものがありますが、それは簡単なものならという条件付きです。プログラマという専門職があるくらいですから、一週間や一ヶ月そこそこで実務レベルにまで持って行くのは無理があります。
また、初心者特有の勘違いとしては「全ての命令を覚えないとプログラムは作れない」というのもあります。これも間違いです。全ての命令を覚える必要はありません。その変わり、使える命令を列記した「リファレンス」があると便利です。リファレンスはhttp://www.adobe.com/devnet/illustrator/scripting/に用意されておりダウンロードして使うことができます。また、これとは別にIllustrator CC 2014ではIllustratorがあるアプリケーションのフォルダ内「スクリプティング>マニュアル>ja_JP」フォルダ内にスクリプト制作をサポートする2つのPDFがあります。何かしたい場合に、それが手軽にできる命令があるかどうかはリファレンスを使って調べます。最初のうちは、該当する命令がなければ、さっさとあきらめてしまうのが良いでしょう。慣れないと時間ばかり消費してしまい、本業に響くからです。
また、Web上で利用されているJavaScriptとIllustrator CC 2014でのJavaScriptは基本的な部分では同じですが、ブラウザ固有の部分、Illustrator CC 2014固有の部分に関しては全く互換性がありません。このため、Web用のJavaScriptの入門書を買ってきても、最初のサンプルからして全く動かないという状態になります。Illustraror CS3に関してはAdobe Illustrator CS3 + JavaScript 自動化サンプル集があります。Illustrator CC 2014やPhotoshop CC 2014など他のAdobeアプリケーションと共通して使えるJavaScriptと機能に関しては以下の書籍があります。電子書籍なのでKindleに入れて読むことができます。紙ベースでも購入することができます。
このサイトのサンプルがIllustratorの自動化の手助けになれば幸いです。