Illustrator CC 2015で使用することができるスクリプトにはVBScript、AppleScript、JavaScriptの3つがあります。VBScriptはWindows環境のみの動作、AppleScriptはMacintosh環境のみの動作となっています。いずれも作成したスクリプトは、その環境でしか動作しません。しかし、JavaScriptで作成した場合にはWindows環境でもMacintosh環境でも、ほぼ同じように動作します。つまりJavaScriptで作成すれば両方の環境で動作させることができるわけです。
他にもメリットがあります。JavaScriptはWeb上で非常に多く利用されており資料も豊富にあります。入門書もたくさんありますし、Web上にも入門ページがたくさんあります。また、Photoshop CS以降やAfterEffects 6.5以降、Bridge 1.0以降、InDesign CS以降、Premiere CS6以降で作成されたスクリプトの一部も互換性があり動作させることができます(DreamweaverやFlash、Fireworksなど旧マクロメディア製品に関しては互換性がありませんし、AcrobatのJavaScriptは、全くの別物です。また、全てのAdobeソフトがJavaScriptをサポートしているわけではありません)。
Illustratorは非常に多くのユーザーが利用していますが、スクリプトで制御するサンプルは多いとは言えません(実用的なものとして公開されているものはhttp://www.pictrix.jp/のサイト等にあります。)。また、Illustrator 9/10で作成したスクリプトとIllustrator CS以降では内部的な変更によりテキスト処理など書き直さなければ動作しません。CS2は日本語処理に不具合がありうまく動作しません。Illustrator CCはバージョンCS3以降と基本的には同じです。なお、CC 2015で追加された新機能は基本的には古いバージョンでは動作しません。CCに関しては最新のアップデートをしている場合、一部CC 2015で使えるメソッドや機能を使うことができます。
このサイトがIllustrator CC 2015での自動化の手助けになれば幸いです。特にCS6以降で利用可能になったCEPでも役立つと思います。Illustrator CC 2015はCEP6に対応しており、HTML5を利用したより便利なGUIツールパネルを作成することができるようになっています。
また、以前のバージョンに関しては以下のURLにて公開していますので参考にしてみてください。
Illustrator CS3自動化作戦
Illustrator CS4自動化作戦
Illustrator CS5自動化作戦
Illustrator CS6自動化作戦
Illustrator CC自動化作戦
Illustrator CC 2014自動化作戦