docObj = documents.add(DocumentColorSpace.CMYK,320,240);
docObj.pathItems.rectangle(0,0,160,120);
最初の1行は前に学習した新規にドキュメントを作成するものです。しかし、前と異なりdocObj = という文字が追加されています。これは新規に作成したドキュメントの場所をdocObjに入れなさい、という意味です。docObjは入れ物で、プログラムでは変数と呼ばれます。
次の行で四角形を描いています。docObjという文字が見えます。これは新規に作成したドキュメントの場所を示しているので、新規に作成したドキュメントに四角形を描く事になります。pathItems.rectangle()が四角形を描く命令です。()の中に数値が4つありますが、これが四角形の座標を示しています。四角形の左下の座標と右上の座標を指定します(実際は対角線の2座標ですが)。
プログラムを実行すると四角形が描かれますが、ドキュメントの範囲の下方向に描かれてしまっています。Illustratorでは数学座標系と同じで左下が原点(座標(0,0))で右上にいくに従って座標が大きくなります。しかし、JavaScriptでIllustratorを制御する場合には縦方向のみ逆になります。つまり上にいくに従って座標が小さくなり、下に行くに従って大きくなります。以下のようにプログラムを変えてみて下さい。
docObj = documents.add(DocumentColorSpace.CMYK,320,240);
pObj = docObj.pathItems.rectangle(0,0,160,-120);
今度はドキュメントの範囲に四角形が描かれました。四角形が描かれましたが、色がついていません。そこで今度は色をつけてみましょう。
Illustrator CS6の色指定はグレー、RGB、CMYKカラーのいずれかで指定できます。色指定はIllustrator 10とは異なるので、バージョン10から移行する場合には注意が必要です。ここでは、CMYKカラーで指定してみましょう。
CMYKカラーを指定するにはCMYKColorオブジェクトを作成し、色を示すプロパティ(cyna, magenta, yellow, black)に色の割合(1〜100)を指定します。色を指定したら、これから描画する色を設定するために現在開かれているドキュメントのdefaultFillColorプロパティに設定したCMYKカラーを入れます。このようにすると、以後に描かれる図形の色が指定したものになります。もちろん、描いてしまった後でも色などを変更することはできます。
myColor = new CMYKColor();
myColor.cyan = 55;
myColor.magenta = 25;
myColor.yellow = 0;
myColor.black = 20;
docObj = documents.add(DocumentColorSpace.CMYK,320,240);
docObj.defaultStroked = false;
docObj.defaultFillColor = myColor;
docObj.pathItems.rectangle(0,0,160,120);
Illustrator CS6のスクリプトは図形だけでなく文字も扱う事ができます。次はテキストを表示させてみましょう。