■はじめに


 このテキストはAdobe InDesign CSで動作するJavaScriptについて書かれています。InDesign CSになり今までプラグインなどを使わないとできなかったことが簡単なスクリプトでできるようになりました。InDesign CSで使用することができるスクリプトにはVBScript、AppleScript、JavaScriptの3つがあります。VBScriptはWindows環境のみの動作、AppleScriptはMacintosh環境のみの動作となっています。いずれも作成したスクリプトは、その環境でしか動作しません。しかし、JavaScriptで作成した場合にはWindows環境でもMacintosh環境でも、ほぼ同じように動作します。つまりJavaScriptで作成すれば両方の環境で動作させることができるわけです。
 他にもメリットがあります。JavaScriptはWeb上で非常に多く利用されており資料も豊富にあります。入門書もたくさんありますし、Web上にも入門ページがたくさんあります。
 といい事ばかり書きましたがInDesign CSの場合には、難しい事情もあります。それはDTP(デスクトップパブリッシング)という世界で利用されるソフトウェアでありPhotoshopやIllustratorを利用するユーザー数とは比較にならないほど利用者数が少ない点です。また、DTP環境においては旧来から利用されているQuark Xpressが、多くのシェアを占めています。このため、InDesign CSでの情報やノウハウは多く公開されていません。そのような中でさらにプログラムで自動化しようとした場合には非常な困難が伴うのは想像できるでしょう。また、肝心のドキュメントが英語であり、ついでに書いてしまえばIllustratorやPhotoshopでの英語のドキュメントと比べて相当に不親切です。不親切というのはサンプルコードが少ないということです。また、VBScript、AppleScript、JavaScriptが1つのPDFとして提供されているためプリントアウトしようものなら18cmほどの高さになってしまいます。これは次バージョンでは3つに分けて、多くのサンプルコードを掲載してくれることを期待するといったところです。

 長々と前書きを書いてしまいましたが、InDesign CSでの自動化の手助けになれば幸いです。また、Illustrator 10*1に関しては書籍化されていて下記URLにて注文が可能です。Illustrator CS*2に関しては以下のURLにて公開していますので参考にしてみてください。


*1 Illustrator 10自動化作戦はアマゾンで注文できます
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4839913544/openspace0d-22

*2
http://www.openspc2.org/book/IllustratorCS/

2005 Copyright 古籏一浩