InDesign CS6自動化作戦 (InDesign CS6 Automation Operation)

■アプリケーション/バージョンアップに伴う注意点


 JavaScriptはWebブラウザ(Internet ExplorerやSafari、Firefox、Operaなど)でしか動作しないのではないかと思っている人も多いかもしれません。実際には、ブラウザ以外のアプリケーション制御用のスクリプト言語として普及してきています。Adobe製品に限らずWindowsやMacOS XなどのOSの一部の機能でもサポートしています。ちなみに、アプリケーションを制御するスクリプト言語としてはJavaScript以外にはAppleScriptとVBScript、としてPython (PoserやVue7で使用) が使われています。また、2012年に発売されたWindows 8ではJavaScriptを使ってアプリケーションを作成することもできます。他にはHTML5と組み合わせてスマートフォン上で動作するアプリをJavaScriptで作成することもできます。(AdobeのアプリケーションやサービスとしてはDreamweaver CS5.5以降やPhoneGap/PhoneGap Buildで作成できます)

 JavaScriptは文法は同じなので、一度身に付けてしまえば、アプリケーション独自のオブジェクト部分を覚えるだけですみます。基本的な部分は同じですが、アプリケーションによって扱えるオブジェクトが異なります。このため、InDesign CS6で作成したスクリプトはPhotoshopやIllustrator、Dreamweaver、Flashではエラーになってしまい動作しません。また、アプリケーションのバージョンアップに伴って以前のスクリプトが動作しなくなってしまうことがあります。特にCS2からCS3にバージョンアップした際に文字スタイルや段落スタイルのメソッドや不透明度を指定するプロパティ名が変更されています。CS5ではCS3/CS4を踏襲しているので同じメソッドで処理できます(一部削除されたオブジェクトがあります)。CS5ではスクリプトラベルが扱えなくなっていたりバージョンアップにともなって変更される部分がいくつかあります。
 InDesign CS6でもECMA ScriptにInDesign CS6独自のオブジェクトを追加し、各種処理/制御ができるようになっています。また、Adobe Bridge CS6を経由して他のアプリケーション(Illustrator/Photoshop)と連携して動作させることもできます。(この場合、Adobe Bridge CS6をがコントロールセンターのような状態になります)

写真素材 PIXTA