説明
D3.jsでSVGを使って横棒グラフを描き目盛りも表示するにはグラフを描画した後にスケールの設定と目盛りを表示する設定を行います。スケールの設定はデータ内部での値を表示先のサイズに調整するものです。一定間隔ごとに目盛りをつける場合はd3.scale.linear()としdomain()メソッドに元のデータ範囲を指定します。これは配列で指定し最初の要素が最小値、次の要素が最大値になるようにします。次にrange()メソッドを使って表示先の倍率を指定します。これも配列で指定し最初の要素が最小値、次の要素が最大値になるようにします。表示する際は自動的にスケール計算が行われrange()で指定したサイズで目盛りが表示されます。
目盛りを表示する場合には、あらかじめCSSで目盛りの文字サイズと区切り線を指定しておく必要があります。なお、いずれもCSSで指定するプロパティ名はSVG用になります。CSSを用意したらsvg.append("g")として生成した目盛りグループにattr()メソッドを使って用意したCSSクラス名を指定します。
目盛りは表示位置を調整しないとグラフに重なってしまうことがあります。位置の調整はSVGのtransform属性を使います。値にはtranslate()メソッドを使います。translate()メソッドの最初のパラメーターがX方向の移動量、2番目のパラメーターがY方向の移動量になります。次にcall()メソッドを使って軸を設定します。call()メソッド内でd3.svg.axis()として軸を追加します。scale()メソッドのパラメーターにはd3.scale.linear()での戻り値を指定します。d3.scale.linear()の戻り値は関数になっています。最後に軸のどの位置に目盛りの文字を表示するかを指定します。横棒グラフでグラフの下側に表示する場合にはorient("bottom")とします。これで横棒グラフに軸が表示されます。
HTMLソース
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<meta charset="utf-8">
<title>D3.js サンプル</title>
<link rel="stylesheet" href="css/main.css">
<style>
.axis text {
font-family: sans-serif;
font-size: 11px;
}
.axis path,
.axis line {
fill: none;
stroke: black;
}
</style>
<script src="http://d3js.org/d3.v3.min.js" charset="utf-8"></script>
</head>
<body>
<h1>D3.jsサンプル</h1>
<div id="myGraph"></div>
<script src="js/sample.js"></script>
</body>
</html>
JavaScriptコード
var list = [10, 30, 5, 60, 40, 78, 56, 30, 24, 80];
var svgWidth = 640; // SVG領域の横幅
var svgHeight = 480; // SVG領域の縦幅
var barScale = 2; // 2倍サイズで描画
var yBarSize = 18; // 棒グラフの縦幅
var svg = d3.select("#myGraph").append("svg")
.attr("width", svgWidth).attr("height", svgHeight)
svg.selectAll("rect") // SVGでの四角形を示す要素を指定
.data(list) // データを設定
.enter()
.append("rect") // SVGでの四角形を示す要素を生成
.attr("x", 0) // 横棒グラフなのでX座標は0。これはSVG上での座標
.attr("y", function(d,i){ // Y座標を配列の順序に応じて計算
return i * yBarSize;
})
.attr("width", function(d){ // 横幅を配列の内容に応じて計算
return (d*barScale) +"px";
})
.attr("height", "16") // 棒グラフの高さを指定
.attr("style", "fill:rgb(255,0,0)") // 棒グラフの色を赤色に設定
// メモリを表示するためにスケールを設定
var xScale = d3.scale.linear() // スケールを設定
.domain([0, 100]) // 元のサイズ
.range([0, 100*barScale]); // 実際の出力サイズ
// メモリを設定し表示する
svg.append("g")
.attr("class", "axis")
.attr("transform", "translate(0, "+list.length*yBarSize+")")
.call(d3.svg.axis()
.scale(xScale) //スケールを適用する
.orient("bottom") //目盛りの表示位置を下側に指定
);