InDesign CS3でFTP, HTTP通信を行う (2)

今回はもっとも多く利用されているHTTPによる通信について説明します。
HTTPはWebサイトを閲覧する場合に利用されています。Webブラウザでページを見る際に使われているものです。
InDesign CS3で対応しているのはHTTPだけでなくHTTPSにも対応しています(セキュアな環境での動作は確認していません)。

InDesign CS3のHTTP機能を使う前に以下の行を記述しておかないとエラーとなり動作しません。

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if ( !ExternalObject.webaccesslib ) {
ExternalObject.webaccesslib = new ExternalObject("lib:webaccesslib");
}
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これは最初に一度だけ実行すればよく、毎回チェックする必要はありません。
このようなチェック方法は古いJavaScript Tools Guide.pdfでは以下のように記載されています。この方法でも動作しますが、FTP接続時のファイルリスト処理などでエラーになることがありますので、上記の短い書き方をする方が安全です。また、InDesign CS3は、なるべく最新の状態にアップデートしておくようにしてください。上記の場合、バージョン5.0.2以降での動作を確認しています。

if( webaccesslib == undefined ) {
if( Folder.fs == "Windows" ) {
var pathToLib = Folder.startup.fsName + "/webaccesslib.dll";
} else {
var pathToLib = Folder.startup.fsName + "/webaccesslib.bundle";
}
var libfile = new File( pathToLib );
var webaccesslib = new ExternalObject("lib:" + pathToLib );
}

それではHTTPによる通信を行ってみます。これはInternet ExplorerやFirefox、Safariなどのブラウザが行っていることをInDesignのJavaScriptで記述することになります。と言っても難しくなく、実質4行で終わりです。
まず、new HttpConnection()のパラメータに取得したいファイルのURLを指定します。例えばYahoo JAPANのトップページのHTMLファイルを取得する場合には以下のように書きます。

http = new HttpConnection("http://www.yahoo.co.jp/index.html");

ただし、これだけでは通信も行われず読み込まれたデータもファイルも作成されません。InDesign CS3に用意されているHTTP機能はローカルディスクのどこかに読み込んだデータを保存する必要があります。その保存先はhttp.responseプロパティに保存先のファイルオブジェクトを指定します。例えばホームフォルダにtemp.htmlという名前で保存する場合は以下のように書きます。

http.response = new File("~/temp.html");

これで保存先が指定されたので以下のようにサーバーにリクエストを発行します。

http.execute();

環境によっては、ここでエラーとなってしまう場合があります。エラーとなってしまった場合には、一度マシンを再起動させてから試してみてください。また、会社内でのネットワーク環境によってはアクセスできないサイトなどがあるため、どうしても分からない場合にはネットワークの担当者に確認するようにしてください。
無事に処理されると指定された場所にファイルが保存されます。最後に以下のように書いてサーバーとの通信処理を終了させます。

http.response.close();

これで完了です。以下のサンプルはYahoo JAPANのトップページのHTMLファイルを読み込んでInDesign上に配置します


// サーバー上にあるHTMLファイルを読み込み配置する
(function (){
var tfObj = app.activeDocument.textFrames.add();
tfObj.visibleBounds = ["2cm", "3cm", "10cm", "14cm"];
var fileObj = getHttpData("http://www.yahoo.co.jp/index.html", "~/temp.html");
var flag = fileObj.open("r");
if(flag == true){
var text = fileObj.read(); // ファイル内容を全て読み込む
tfObj.contents = text;
fileObj.remove(); // 一時的に作成したファイルを削除する
}
})();
// HTTPを使って指定されたサーバーのデータを読み込みファイルオブジェクトを返す
function getHttpData(sURL, filePath){
if ( !ExternalObject.webaccesslib ) {
ExternalObject.webaccesslib = new ExternalObject("lib:webaccesslib");
}
var http = new HttpConnection(sURL);
http.response = new File(filePath);
http.execute();
http.response.close();
return new File(filePath);
}

fileObj.close()がないのは手抜きですが、なくても自動的にやってくれます。


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